舞台となっている場所

実在する地名 　存在しない世界、存在しないはずの場所と、私たちの現代とを、このマンガでは、私たちが見慣れた様々な地名や風景で結びつけています。もしかしたら、普通ならば現実感のない異世界に、強い親近感を感じさせているのかも知れません。 三浦半島 　三浦半島と言うと、すぐに思い浮かぶのは、米軍基地のある横須賀でしょう。また、御用邸のある葉山を思い浮かべる人もいるかもしれません。 　この物語の中心的な舞台は、もっと「普通」の、地方都市や農村の広がる三浦半島の風景です。 　起伏に富んだ独特の地形と、不思議な広がりを持った空間を持ったこの三浦半島は、画面に独特の、不思議な印象を生み出しています。この場所が、『ヨコハマ買い出し紀行』というマンガに一つの魅力を与えています。 横浜 　物語にはあまり登場しませんが、タイトルにもなっている横浜の街は、主要な市街地の大半が水没し、一地方都市となっています。 　水の中に建っているランドマークタワーは、現在の横浜の象徴であると同時に、この世界においては、世界自身の象徴でもあります。 　このことが、この世界がどのような世界であるかを読者に感じさせます。 むさしの 　日本の中心として栄えている東京は、この世界ではすでに一地方に過ぎません。市街地はすっかり原野に帰り、思い出したようにかつての時代の遺跡が顔を覗かせています。 　横浜や三浦半島より見はるかに規模の大きい遺跡、それがむさしのの街と言えるでしょう。