ご存じの通り、阪神タイガースが十八年ぶりに優勝した。
大阪や神戸はもう、地元の言葉で言えば「わやくちゃ」状態だ。
それにしても、この盛り上がり方はすごいとしか言いようがない。日本人は感情表現が上手でないとか、盛り上がって騒ぐのを嫌うとか言うが、阪神ファンに関しては別格らしい。
と言うより、そもそも今年はタイガースへの応援がすごかった。虎のマークがついていれば何でもいいのか！ と言わんばかりのグッズの売れ行きは、他のチームには見られないだろう。
そして優勝を喜ぶファン。今年も道頓堀は警察の人々の苦労などは全く無縁に、たくさんのファンが泳いだ。
ただハタから見ているだけでも微笑ましい光景だ。
同時にふと、何か忘れていたものを見ているような気もする。
冷静に考えれば、赤の他人の野球選手が野球をやっているだけだ。その勝ち負けにここまで一喜一憂することもあるまい。
しかし、そういう問題ではないとも思う。何かに熱中し、たくさんの人と同じ感情を持ち、喜びも悲しみも素直に、全身で表現する。これが楽しくなくて、何が楽しいのか。
私はあまり野球には熱心なほうではないが、阪神ファンの喜びは何か伝わってくる気がする。
同時に、こういう清涼剤がある生活に、どこか憧れてみたりもする。
どうせ人生、なにを言っても楽しんだほうが勝ちだ。
なら、この人たちのように、目一杯楽しんで生きたほうが得なのかも知れない。
最後に。
今年の日本は……なんや、わけわからんですわ……。
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