今年の夏は記録的冷夏だったと言う。
どのくらい記録的だったのかはわからないが、本当に寒かった。クーラーのない私の部屋は、普段の夏なら暑くて寝られないところだが、今年はそんな日は２、３日しかなかった。
その代わりだろうか。暑さが引くのが遅かった。９月の半ばまで３０度をこえる日が珍しくなかったし、その後もかなり気温が高かった。
しかし、寒い日は突然やってくる。台風が一つ来たとたん、恐ろしいほど寒くなる。昨日まで半袖Ｔシャツ一枚ですんでいたものが、上着を着ないと寒さで体調を崩すくらいに……。
今年がまさにそうだった。おかげで少し調子が悪い。
一年は長く感じる。その中にたった４つしか季節が無いのだから、移り変わりもゆっくりのように思う。
実際、暑い日、あるいは寒い日が続くと、なかなか次の季節がやってこないように感じる。
実際、その感覚は間違っているわけではない。
が、季節の変わり目は突然やってくる。
このことがなんとなく面白くもある。そして、つい薄着で外に出てしまう自分がいかに季節という物に鈍感かを知ってしまうきっかけにもなる。
どちらにしても、季節というものはちゃんとある。
今日は久々に、布団をかぶって目を覚ました。本当に久しぶりだ。なにしろ寒くてしかたがなかったのだ。
そのとき、ただ「寒いな」と思うのではなく、「季節が変わったんだな」と感じられるようになれば、少しだけ情緒感の理解できるオトナに近づける気がしているが、それがただの夢想でないことを、なんとなく胸の中で祈っている。
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